認知症の前段階といわれる“軽度認知障害(MCI)”と判定された在宅の高齢者を4年間追跡したところ、半数近くは正常な認知機能を回復したとの研究を、国立長寿医療研究センターのチームがまとめ、米医学誌に発表しました。
MCIは認知症に進行するばかりでなく、相当程度、回復可能な事を示す結果となりました。
チームは、回復した人の生活面の特徴等の分析を進めているそうです。
MCIは「認知症ではないが認知機能の一部が低下」「日常生活は自立」等の特徴があり、いわば認知症と異常なしの間のグレーゾーンなのだそうで、厚生労働省研究班は平成24年時点のMCI人口を400万人と推計され、65歳以上の20%程度がMCIと見られるそう。
チームは、大府市に住む約4200人の高齢者に平成23年から翌年にかけ認知機能テストを受けてもらい、4年後の結果と比較したのだそう。
テストは記憶力、注意力、実行機能、処理速度の各領域で認知機能を評価。
研究開始時点で約740人(18%)がMCIと判定されたとの事で、4年後には、このうち14%が認知症になったが、46%は異常なしのレベルに戻ったのだそう。
回復した人の割合は、機能低下の領域が単独だと39~57%だったが、低下が複数領域にわたると21~26%と低かったそうです。
逆に認知症に進行した人の割合は、複数領域で機能低下がみられた人の方が多かったらしいです。
ただ、MCIからの回復は海外でも報告されているそうなのですが、回復率は2~50%台と研究によって大きな差があるようです(^_^;)
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