日々の料理に欠かせないキャノーラ油。
そんなキャノーラ油について、ある研究結果が発表されました。
アメリカのテンプル大学の研究グループがアルツハイマー病のマウスにキャノーラ油を与えたところ、学習能力と記憶力が低下し、体重増加を招くことが判明したというのです。
キャノーラ油は他の植物油より安価で、ヘルシーだと宣伝されているため、消費者に人気がありますが、キャノーラ油がヘルシーと主張する根拠は薄弱で、脳に与える影響を調査した研究はほとんどないのだそうです。
研究グループは、アルツハイマー病になるよう遺伝子操作されたマウスを実験に使用。
生後6カ月の段階(認知症は未発症)で、通常の食餌をする対照群と、キャノーラ油大さじ2杯分に相当するサプリメントを毎日摂取する実験群という2つのグループに分けたそう。
生後1年を経過した時点で、2つのグループの間に決定的な違いが生まれたそうで、キャノーラ油を摂取したマウスは、そうでないマウスより体重が重かったとの事。
さらに、短期記憶(今日やるべきことなど、一時的に保存するだけの情報)と作業記憶(好きなケーキのレシピなど、一時的に保持した後でさらに処理する情報)を測定し、マウスの学習能力を比較すると、キャノーラ油を毎日摂取したマウスは、測定した3つの分野すべてで学習能力が低下していた事が分かったのだそうです。
キャノーラ油を摂取したマウスの脳内では、アルツハイマー病の原因物質とされる有害な「アミロイドβ42」から脳を守る働きがあるたんぱく質「アミロイドβ1-40」が減少。
その結果、アミロイドβ42が脳に沈着。
アルツハイマー病患者の脳にはアミロイドβ42が発症前からたまり始め、それが沈着すると脳が正常に機能しなくなるのだそうで、マウスの脳でアミロイドβ42の沈着を防げなかったのは、それを排除する働きを持つアミロイドβ1-40が減少したからだと言えるようです。
研究グループは今後、キャノーラ油の短期的な摂取が脳機能に及ぼす影響と、それがアルツハイマー病以外の病気を発症する原因になるかどうかを調べるそうです。
遺伝子組換えの菜種を原料にしたキャノーラ油は、他の料理油よりヘルシーなイメージがあったりしますが・・・
毎日油を摂取して体重増加するのはまぁ分かりますが、認知症が進行するかもしれないとなると、なかなか大問題ですよね。
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