東京都品川区の介護付き有料老人ホーム「サニーライフ北品川」で入所者を殺害したとして、殺人容疑で逮捕されたのは元職員(28)。
系列の介護施設で4年以上の勤務経験があり、夜勤帯には「リーダー格」として業務に当たっていたそうです。
介護施設などでの職員による高齢者への虐待は後を絶たず、関係者は「中堅職員には負担が集中する傾向がある。施設間でも情報を共有し、職員による虐待を防ぐ取り組みが必要だ」と指摘しています。
施設の運営会社などによると、容疑者は平成26年7月に入社し、昨年3月には介護福祉士の資格を取得。
都内の系列の施設で勤務していたが、「違った環境を経験してキャリアアップしたい」と自ら志願し、同11月末に開設間もない「サニーライフ北品川」に異動したのだそうです。
仕事上のトラブルはなく、「入所者の状況把握にたけている」と評価されていたという。
厚生労働省によると、29年度に介護施設などの職員による高齢者への虐待があったと判断された件数は510件で、調査が始まった18年度から11年連続で増加。
虐待被害を特定できた高齢者は854人に上り、約6割が殴る蹴るなどの身体的虐待を受けていたとされています。
介護施設で虐待が多発する背景には、慢性的な人手不足で職員がストレスを抱えやすいことも影響しています。
介護職の労働組合「日本介護クラフトユニオン」が28年に実施したアンケート(複数回答)では、虐待が起きる原因として、業務の負担が多い(54・3%)、仕事上でのストレス(48・9%)、人材不足(42・8%)、などが挙げられています。
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