“排尿障害”と聞くと、なんとなく難しい病気のように感じてしまいます。
ですが実は、「夜何度もトイレに起きる」とか、「くしゃみでお腹に力が入ると尿がもれてしまう」といった症状を指し、割と身近なものなんです。
高齢者だけではなく、若者にも様々な症状に悩む方がいるようです。
あきすけの働く特養でも、認知症の影響というのも含め、多くのおじいさまおばあさまが排尿に関する悩みを持っています。
目次
“排尿障害”とは
排尿が正常に行われるには、「尿を溜める機能」と「尿を排出する機能」の両方が正常に働かなければなりません。
この二つの機能は、特に高齢者の方が弱くなってくる傾向にあり、どちらかでも働きが弱くなると、排尿障害の症状が現れます。
排尿に関する正常値
では、どれくらいが正常なのでしょうか・・・?
〇1回あたりの排尿時間が20~30秒
〇1日の排尿量が1000~1500ml
〇1日の排尿回数が5~7回
〇排尿間隔が3~5時間に1回
以上の状態が正常な値とされているそうです。
ですので、この数値からかけ離れている場合には、排尿障害が疑われる可能性があるのだという事です。
尿を溜める機能に問題がある場合
トイレに行きたくて夜に何度も起きてしまう・・・。
少し前にトイレに行ったばかりなのにすぐにまた行きたくなる・・・・・・。
このような症状がある場合は、膀胱が尿を溜める機能が低下している可能性があります。
このような症状が現れる原因としては、“前立腺肥大”、“過活動膀胱”等といったものの可能性があるそうです。
“前立腺肥大”は、現在約100万人の患者さんが治療を受けていて、潜在患者はその4倍ともいわれ、多くの方が悩んでいる病気です。前立腺は膀胱や尿道のすぐ近くにあり、これが加齢や男性ホルモンの影響で大きくなると、頻尿の症状が現れます。
“過活動膀胱”は、「急に我慢できないような尿意が起こる」、「トイレが近い」といった症状を示す病気です。この病気が起こる原因としては、脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経回路の障害、女性の場合には骨盤底筋のトラブル等があります。
尿の排出に問題がある場合
尿の排出に関しては、排出しにくい、我慢できずに漏れてしまう、といった症状があります。
尿を排出しにくい場合、“溢流性尿失禁”というものがあり、排尿に勢いがない、残尿感がある、尿意がはっきりしない、といった症状がみられます。
また、“神経因性膀胱”という神経の障害で尿が出にくい場合もあります。
我慢できずに尿が漏れてしまう場合には、“腹圧性尿失禁”、“切迫性尿失禁”等があります。
“腹圧性尿失禁”は、咳やくしゃみ、スポーツなどでお腹に力が入ると失禁してしまうもので、特に女性の場合は、出産時に骨盤の底を支えている筋肉群がゆるんでしまう事などが原因となっています。
“切迫性尿失禁”は、急にトイレに行きたくなり我慢ができずに漏れてしまう、という症状で、脳からの排尿の指令によるコントロールが、脳血管障害などによりうまく行かなくなる、という原因も挙げられますが、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまうという場合も多いのだそうです。
最後に
若い人の中には諦めていたり、病院に行くのが恥ずかしかったり、といったことで仕方なくこの症状と付き合っている方もいるかと思います。
高齢の方の中でも、おしっこが近いくらい別になんでもないやい!と特に対処していない事ももしかしたらあるかもしれません。
ですが、こういった症状は、医師の診断と治療を受ければ改善する場合もあります。
排尿障害が無くなれば、QOLの向上にも繋がりますからね!
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