大人が読書をするときは、黙読が一般的ですよね。
その方が文章を読むスピードは断然速いことでしょう。
試験や学習や趣味のために読書をするとなると、かなり量もありますのでやはり音読は適していないと思われます。
音読だと時間がかかりますし、体力も使います。
でも、それは音読の長所でもあるのです。
小学生の頃のように、大きく口を開けて明るくハキハキと、自分の声を通して文章を心と頭、そして体全体に響かせることは、実はとても健康的な作業なのです。
『心とカラダを整えるおとなのための1分音読』(山口謠司/自由国民社)は、大人向けに作られた音読の本です。
「坊ちゃん」(夏目漱石)、「走れメロス」(太宰治)、「ごん狐」(新美南吉)、「一握の砂」(石川啄木)など、有名な文学作品から隠れた名作まで、多くの小説や随筆、詩や短歌などが「1分を目安に読める分量」で収録されているんだそうです。
それぞれの文章は大きな文字で書かれ、漢字にはふりがながあてられて読みやすく、また、作品や作者、語彙の解説、そして音読をする際のワンポイントアドバイスが充実しています。
一言一句を嚙みしめながらしっかりと発音することで、文章の中の世界にたっぷり身を浸すことができたように感じます。
黙々と読み込む読書も良いですが、こうやって音読をする習慣もつけていきたいと思いました。
この本の解説によると、音読には、「気持ちが落ち着く」「やる気が出る」「ストレスが解消し、抵抗力が上がる」「脳が活性化される」「誤嚥性肺炎の予防」など、多くの効用があるそうです。
この幅広い効果は、認知症やうつの予防にも役立つと期待されています。
施設でのレクリエーションとして取り入れてみるのも面白そうですね!!
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