国は今年度から、受刑者の高齢化を受けて約30人の介護スタッフを全国の刑務所に配置したようです。
平日に30~40分、受刑者に運動等の指導を行っているのだそうですよ。
ですが、所内には階段を使わないと行けない面接室なんかもあり、2人がかりで背負って運ぶこともあるのが現状なのだそう。
食事を喉につまらせる恐れがあるため、食べ物を細かく刻み、食事中を通して見守る必要がある受刑者も勿論いるそうで。
「『介護棟』のようなものを作らないと対応が難しい」と現場からは漏れているそうです。
専門家も、「ヨーロッパでは重大事件を除いて高齢者を刑務所に入れない国が多い。これだけ認知症の受刑者が多いのは日本くらいであり、認知症が進行した場合は刑の執行を停止し、福祉施設に入れるべきだ」と指摘しています。
また、認知症の出所者に対する支援が再犯を左右するとの報告も。
認知症の出所者らを支援する社会福祉法人「南高愛隣会」等が、2015年~16年7月末に行った追跡調査によると、認知症の疑いがあるとして調査対象とした受刑者72人中、出所時に福祉施設の確保や生活保護の申請などをしてもらえる「特別調整」を使って出所した16人は、調査期間中に罪に問われることはなかった。
一方、特別調整を使わず出所した29人中、5人が再び罪を犯したとして起訴され、すでに3人は刑務所に収容されたそう。
法務省は今後、認知症受刑者に特別調整の利用を促し、再犯率の低下につなげたい考えだそうですが、課題はまだまだあるとされています。
特別調整は、出所後の孤独感や経済的不安を和らげ、再犯を減らす事等を目的に2009年度から導入されていますが、本人の事前の同意が必要で、利用を勧めても断られることも多いのだそう。
また、そもそも制度について受けた説明を数時間後には忘れてしまう受刑者もいたり、「会社を始めるから必要ない」等と実現性の乏しい話を繰り返す受刑者に対し、面接を4~5回重ねた末にようやく同意を得たこともあったという。
認知症受刑者の病状を把握してきめ細やかな処遇を行うとともに、病状が進む前から特別調整の利用を促すなどし、医療機関や福祉施設と連携して再犯の防止につなげていきたいしています。
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